ブラウン処理(ダイレクトレーザー前処理)

このブログへのアクセス検索語でも多いのが『ダイレクトレーザー前処理』です。

エニーレイヤー基板やMSAP工法の普及により、銅箔付基材へのブラインドビアホール(BVH)形成技術に注目が集まっているといったところでしょうか。

そもそも銅ダイレクト法とは、その名の通り銅箔にダイレクトにレーザーを照射してBVHを形成する工法です。

以前はBVHよりひと回り大きな部分をエッチングで取り除いて(ウインドウエッチング)、樹脂を露出させレーザーを照射していました(ラージウインドウ法)。

銅ダイレクト法はウインドウエッチングが不要なため、コスト低減、ランドの小径化が可能です。

しかし何も処理していない銅箔に炭酸ガス(CO2)レーザーを当てても、レーザー吸収率が低く穴が開きません。そのため銅箔にCO2レーザーの吸収率を向上させる処理が必要なのです。

ダイレクトレーザーの導入当時は黒化処理(B/O)が使われていました。当時は積層前処理にB/Oが使われていたことから、ダイレクトレーザー前処理にもそのままB/Oが選択されていたという経緯があります。
しかしB/Oも万能ではなく問題点が多々あります。液の扱いにくさ、生産性、環境負荷などです。

それに変わる処理として注目が集まっているのがエッチング処理(ブラウン処理)なのです。

ブラウン処理にすることで、
1.水平搬送装置での処理が可能
2.廃液処理性の向上、環境負荷低減
3.レーザー吸収性の向上(=低エネルギー化)
などが期待されています。

カニズムとしては銅表面をエッチングで粗化し表面積を増加させることで、CO2レーザーの吸収性を向上させるといったものです。

現在は下記のメーカーが対象プロセスを発表しています。

アトテック・・・ボンドフィルムLDD

荏原ユージライト・・・開発品(後にNBDLとして発表)

マクダーミッド・・・マルチボンド

メック・・・Vボンドダイレクト

各プロセスの特徴などは把握しきれていませんが、普及していく技術であることは間違いないので、今後は情報も充実していくことでしょう。