2012-01-01から1年間の記事一覧

注目されるMSAP

現在このブログの検索ワードでもっとも多いのは『MSAP』です。MSAPについては過去の関連エントリを参照ください。 MSAP工法のポイント SAPとMSAP ブラウン処理(ダイレクトレーザー前処理)注目されているのにはこんな背景もあります↓ 『半導体売上高世界一…

硫酸銅めっきの不溶解性アノード

フィルドビアめっきをはじめとする硫酸銅めっきにおいては、不溶解性アノードの採用が進んでいますね。不溶解性アノードのメリットとしては、 ・アノードの補充や洗浄などのメンテナンスが不要 ・アノードの寸法変化によるめっき厚ばらつきの問題がない ・ア…

iPad miniのサプライヤーはここだ

Tech-onにすごい記事が出ていましたね。iPad miniのサプライヤーはここだいままでの分解ものとは一味違って部品だけでなく細かい材料まで記載されていますし、さらにはサプライヤのアロケーションまで推定されています。Apple製品はそれだけ注目されていると…

MSAP工法のポイント

MSAP工法が注目を浴びてきていますね。MSAP工法は主にスマートフォンのプロセッサに使われるような小型パッケージ基板(CSP=Chip Size Package)に用いられています。MSAPの利点はあらかじめ樹脂(絶縁層)と銅箔(導体シード層)との密着が約束されているた…

【書籍】本当に実務に役立つプリント配線板のめっき技術

本当に実務に役立つプリント配線板のめっき技術作者: 雀部俊樹,秋山政憲,加藤凡典,神津邦男出版社/メーカー: 日刊工業新聞社発売日: 2012/01/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 今回はプリント基板向けめっき技術本の紹介です。この分野の本はい…

硫酸銅めっきの塩素はなぜ必要か?

biztechの日記へのアクセス検索ワードを眺めていると、「硫酸銅 塩素 役割」「硫酸銅 塩素 なぜ」などのワードがしばしば見られます。今回は硫酸銅めっき中の塩素イオンの役割についてです。 以前のエントリでは「抑制剤の作用を補助する役割」とざっくり説…

P板.comさんにご紹介いただきました!!

このたび”プリント基板のネット通販 国内シェアNo.1!”のP板.comさんに、本ブログのフィルドビアめっきの記事をご紹介いただきました。P板.com ビルドアップ基板製造サービスありがとうございます!!レーザービアの穴あけ技術(ショット数やエネルギー)や…

表面処理と廃液処理

表面技術Vol.62(2011)No.11がアップされていますね。今回の特集は「廃液処理の基本と新しい流れ」です。環境問題、資源回収の観点からも廃液処理の重要性は年々高まってきています。このような背景からもあらかじめ廃液処理することを考えたプロセス(表面処…

JPCA Show で見逃した・・・

主催者側から来場者数が発表されていましたね。☆来場者数(カッコ内は昨年度数) 6月13日(水) 31,996(28,091) 6月14日(木) 37,601(33,378) 6月15日(金) 45,364(41,924) 3日間累計 114,961(103,393)☆出展者数/小間数(カッコ内は昨年度数) 477社…

JPCA Show 2012に行ってきました!

昨年は地震の影響もあってか、海外からのお客さんが少なかったようですが、今年はそこそこ賑わっていましたね。今回に気なったのは「低粗化(粗化レス)・高密着」アイテムです。銅をなるべく(まったく)粗化をしないで樹脂との密着強度を得るというコンセ…

イノベーションのジレンマ

発表はもう10年以上も前ですが、今日もなお読み継がれているこの本↓イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)作者: クレイトン・クリステンセン,玉田俊平太,伊豆原弓出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2011/12/20メディア: 単行本…

SAPとMSAP

プリント基板の回路形成方法はサブトラクティブ法(サブトラ)とセミアディティブ法(SAP=Semi Additive Process)が一般的です。サブトラは基板全面の導体をエッチングで非回路部分のみ除去し回路を形成する方法です。一方のSAPは全面シード層の上の非回路…

JPCA Show 2012開催

6/13(水)〜6/15(金)に東京ビックサイトでJPCA Show 2012が開催されますね。プレゼンテーション・プログラムでも6/14に奥野製薬工業、荏原ユージライトからフィルドビアめっきの発表がありますね。ほかにも見どころがたくさんあります。また感想もアップ…

フィルドビアめっきの不具合モード

今日はフィルドビアめっきについてのお話です。フィルドビアとはまさに「via(BVH)」が「filled(充填された)」している状態のめっきです。ですので当然のことながらビアが充填されていない状態は異常となります。ビアが充填されてなく凹んでいる状態を「…

TSVレポート

フリーランスのテクノロジーライター福田昭さんのIRPS2012におけるTSVレポートがUPされています。 【IRPS 2012レポート】次世代シリコンの3次元実装技術「TSV」個人的には「2.5D実装」に注目しています。TSVを用いることでロジックICとメモリを同一パッケー…

エンジニアの生き方

Chikirinの日記でおなじみのちきりんさんと中央大学理工学部教授の竹内健先生の対談が連載されていますね。 (竹内先生の著書は以前のエントリでも紹介しています)エンジニアは会社よりも自分のことを考えよう!対談中にもありますが「外の世界」を意識して…

TSV(スルーシリコンビア)

2012-4-16号の日経エレクトロニクスが送られてきました。本号はTSV(スルーシリコンビア)の特集が組まれていますが、このTSVもフィルドめっきの技術が欠かせません。TSVとは貫通電極を用いた複数のICチップの垂直接続技術のことで、既存のワイヤボンディン…

フィルドビアめっきのメカニズム

前回に引き続き、今回はフィルドビアめっきのメカニズムについてのお話です。フィルドビアめっきは硫酸銅めっきをベースとしています。一般的なフィルドビアめっきの組成は以下の通りです。 硫酸銅 200〜250g/L 硫酸 10〜50g/L 塩素 30〜60mg/L 抑制剤 プロ…

なぜフィルドビアめっきが必要なのか

プリント基板の主要技術のひとつに「フィルドビアめっき(ビアフィリングめっき)」がありますよね。今回から数回にわたってフィルドビアめっきのお話をしようと思います。まずなぜフィルドビアという技術が生まれたのかといいますと、基板の小型化、省面積…

世界で勝負する仕事術

ちきりんさんの『Chikirinの日記』や、『BBM(ビジネスブックマラソン)』の土井英司さんも紹介していたこの本↓世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)作者: 竹内健出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/01/28メディア: 新…

新しいiPadが早速分解されてます・・・

めっちゃ速いですね。iPad 3 4G Teardown4G LTEチップはQualcomm製、Bluetooth対応802.11 a/b/g/nチップはBroadcom製、 NANDは東芝製で、アプリケーションプロセッサ「A5X」チップはSAMSUNG製といわれています。発売数時間後には分解されてしまいサプライヤ…

材料メーカーの生きる道

こんな記事がでていましたね。日本エレクトロニクス総崩れの真因 大同団結や徹底抗戦は愚の骨頂”エレクトロニクスを土俵とする日本勢と韓国勢の闘いにばかり話題が集まるが、実は韓国勢の背後には日本の材料メーカーや装置メーカーがいる。日本のエレクトロ…

ブラウン処理(ダイレクトレーザー前処理)

このブログへのアクセス検索語でも多いのが『ダイレクトレーザー前処理』です。エニーレイヤー基板やMSAP工法の普及により、銅箔付基材へのブラインドビアホール(BVH)形成技術に注目が集まっているといったところでしょうか。そもそも銅ダイレクト法とは、…

ノウハウの権利化

表面処理技術の中心は化学であり、 使用される薬品にも見えないノウハウが凝縮されています。見えないが故に製品の差別化がしやすく、安定した利益を出し続ける企業が多いのも特徴ですよね。突出した技術が産まれた際に、それを特許権の取得という形で権利化…

サムスン式仕事の流儀

最近は国内の展示会にも海外からのお客様が増えてきていますね。電子部品の業界では韓国、台湾の台頭がめざましいです。そんななかでサムスングループの躍進は凄まじく、 今では世界トップのポジションを確立しています。そのサムスンの強さの秘密に触れられ…

WEB表面技術

表面処理業界ってニッチがゆえに情報源が少なくて困りますよね。教科書的な書籍は昔からあるのですが、 あまり情報はアップデートされていませんよね。そんななかで気軽に入手できる情報源として活用しています↓J−STAGE表面技術本誌からWEBへのアップは半年…

動きのある市場

ネプコンジャパンでも感じましたが、 動きのある市場とそうでない市場がはっきりと二極化してる気がします。動きのある市場は研究開発も活発で、工業化に向けた投資も旺盛なのですが、 そうでない市場では合理化、原価低減などで生き残りに必死というわけで…

電子部品だけがなぜ強い

ものづくりの主役、とくにアッセンブリは中国はじめアジア諸国へと移りつつありますが、 電子部品、材料、素材といった分野はまだまだ日本が強いですね。もちろん表面処理の分野も日本は世界をリードしています。そんな中でお奨めの本↓電子部品だけがなぜ強…

HzO

HzOというナノサイズのフィルムを利用した新たな防水技術に大手スマートフォンメーカーの注目が集まっているという。 すごいですね!! 私も先日スマートフォンを水没させてしまったばかりなのですが・・・ (丸一日無通電で乾燥させて無事に復帰!!)こういう…

ネプコンジャパン2012

ネプコンジャパン2012に行ってきました。表面処理関連企業は2Fでの出展であったため、 客足も今ひとつ・・・少しさびしかったですね。とくに印象的な展示はなかったのですが、 スマートフォン、タブレットPC向けのアイテムが気になりました。それらの核とな…